はじめに

学外でのスクーリングでは、博物館、美術館、神社仏閣や歴史的建造物などで研修を行うことがあります。その際には、普段立ち入ることができない場所を訪れる場合もあります。このような学外でのスクーリングを受講するにあたって、準備しておくとよいものや守らなければならないルールを以下に示しました。大まかには、「文化財に対する配慮」、「団体行動に関する注意」、「体調管理のための持参物」の3点です。しっかり熟読し、理解して、スクーリングに臨んでください。 また、これらの準備物や守るべきルールは、学外スクーリング受講時に限るものではありません。とくに文化財に対する配慮は、過去の人々の営みから生まれ、現在まで守り伝えられてきた文化財を、次の世代に伝えるという点でとても大事な行為です。文化財に接する機会には、「文化財を汚さない、傷めない」ということを意識して行動しましょう。

学外スクーリングのときの注意点

1:持参物

  1. 筆記用具(鉛筆[HB~2B])
  2. タオル(雨・汗ふき用)
  3. 雨具(折りたたみ傘・カッパ)
  4. 履き替え用の白靴下(建物に上るスクーリング時のみ)
  5. 夏のスクーリング時の持参物
  6. 冬のスクーリング時の持参物

2:荷物

荷物はコンパクトにしてください。移動をともなうことや、研修先の障子や襖、建具などにぶつけて、モノを傷めてしまう可能性があるからです。とくに宿泊の荷物(スーツケース、キャリーバッグ)は、各自最寄り駅のコインロッカーなどに預けてから集合してください。

3:服装

  1. 装飾が少なく身動きのしやすい服装を心がけましょう。障子や襖といった材質の弱いものは、私たちが身につけている衣類によって傷めてしまうことがありますので、建物に上がるスクーリングでは、ジーパンは避けましょう。また、神社仏閣では、ノースリーブ、ランニング、短パンなどは避けましょう。
  2. 運動靴やウォーキングシューズなど歩くのに適したものを選んでください。パンプスやヒールのある靴は不適です。

4:見学先での心得

  1. 文化財に触れることが厳禁であることは言うまでもありませんが、狭い場所に露出展示されている場合、故意にでなくとも、着衣や持ち物で引っ掛けてしまう危険があります。そういう立ち居振る舞いも含めて、文化財には触れないよう注意してください。
  2. 美術館、博物館、宝物館など展示ケースのある施設では、ガラスケースに手などの汚れを付けないよう、触れないように心がけましょう。
  3. 堂内の仏像や照度を落としてある展示場などで、管理者のご配慮でライトをあてて見せてくださることもありますが、個人的にペンライトや懐中電灯で文化財を照らすことはやめましょう。
  4. 筆記用具は鉛筆(HB~2B)のみです。文化財を汚すのでインクの出るもの(ボールペン、マーカーなど)、シャープペンシルは使用しないでください。また、アクセサリー類、マニキュアなども、文化財の破損・汚染の原因になるので避けましょう。消しゴムのかすなどは、床や畳に落とさずに、紙に包んで持ち帰ってください。
  5. 建物に上って見学する際、素足は厳禁です(ストッキング・タイツも不可)。汗や足の汚れなどで床や畳を汚さないため、必ず靴下を履きましょう。非公開の文化財やお茶室に入る際は、履き替え用の白靴下を準備し、建物に上る前に履き替えましょう。
  6. 建物に上って見学する際、リュックサックなどの背負う荷物は、必ず下ろして前に持ちましょう。場合によっては、貴重品・ノート・鉛筆以外のものは教員・アシスタントの指示に従い、指定の場所に置くか、預けるようにしましょう。
  7. 雨天時や夏場、建物に入る前にタオルで雨や汗を拭くようにしましょう。湿気を嫌う建物や文化財を濡らさないためです。
  8. 建物の中で研修を受ける際、着衣が床をこする恐れのある場合は、裾を折り曲げるなどの配慮をしましょう。
  9. 柱や障子、襖などにもたれたり、触れたりしないように注意しましょう。荷物などを置く場合も、壁や柱に持たせかけてはいけません。
  10. 炉(ろ)の切られている部分に乗ってはいけません(茶室など)。
  11. 扉などにむやみに触れたり、閉じてある扉を開いたりしてはいけません。
  12. 神社仏閣での見学や建物に上っての見学の際は、脱帽しましょう。関係者の方々の出迎えのある場合は、必ず「おじゃまいたします。」「ありがとうございました。」などの挨拶をし、この場を提供していただいたことに対し、感謝の気持ちを表しましょう。

5:その他 【神社仏閣や歴史的建造物で研修を受ける際の心得】

神社仏閣での研修の場合、宗教的に支障がなければ、見学の前もしくは後に合掌・黙礼をしましょう。 貴重な神社仏閣や歴史的建造物を今私たちが目にできるのは、いにしえより幾人もの人々の手によって大切に守り伝えられてきたからにほかなりません。現代に生きる私たちもまた、この人類の貴重な財産を後世の人が目にできるよう大切に守り伝えていかなければなりません。 神社仏閣や歴史的建造物で研修を受ける際には、そのかけがえのなさを充分に認識し、興味(自分)本位にならぬよう自己を律しながら、文化財を汚さない、傷めない行動を心がけましょう。