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大学で論文・レポートを書く際には、いくつかのルールがあります。以下では、順に「剽窃」「レポート執筆の基本」「構成」「人名や資料の表記」「註と参考文献(書誌情報の書き方)」「著作権」について簡単に説明します。これらの作法と考え方をより深く学んでいただくため、入学後なるべく早い時期に総合教育科目「論述基礎」を受講することをお勧めします。また、文章を書くことじたいに慣れていないという方は、併せて同じく総合教育科目の「ことばと表現」にも取り組んでください。
まずレポート課題に取り組むに当たって、第一に意識していただきたい「剽窃」について説明します。一般の刊行物においては、文章を引用して出典を示さなかった場合、剽窃(他人の文章・語句・説などを盗んで使うこと、盗用)という不正行為にあたります。大学では、レポート課題の二次利用と剽窃に対しては単位不認定さらには退学処分も含め厳正に対応します。大学での学習の目的や意味を今一度考え、提出物の作成にあたってのルールを守り、自分自身で取り組んでください。引用する場合は、(5)註と参考文献(書誌情報の書き方)で示す註の書き方に則って、出典を正しく示してください。 インターネットやパソコンの普及に伴い、閲覧した他者のレポートや文章をそのまま自分の課題として提出するケースが発生しています。他人の著作を自分で書いた文章として二次利用すると、一切学習成果が上がらないばかりか、その著作者の権利を侵害することになってしまいます。 また自分自身が過去に書いた文章であっても、再利用に際しては出典の提示が必要です。自分自身の文章であっても盗用とみなされます。ブログやSNSで自分自身の意見を示している場合は、特に気をつけてください。
※科目で指定しているテキストについては参考文献としての明記は不要です。ただし、本文中で引用をした場合には出典元として記載が必要となります。
大学で執筆するレポートは、中学校や高等学校で書く機会の多かった感想文とはまったく異なるものということを強く意識してください。同時に、ただ調べたことを書き連ねるだけの「調べ学習」とも違います。レポートとは「根拠」を示し、それに基づいて「考察」した報告書です。 レポートの基本の形は次のとおりです。
段落をつける。
段落は、幾つかの文章をまとめたものです。論理的な文章を書くためには必須です。そして文章の冒頭は必ず1字あけます。行を改めた際の行頭も同様に1字あけてください。
文末は「~である」とする。
日本語の文章では文末が「です・ます」か、「だ・である」に大きく分けられます。レポートでは後者の「だ・である」を基調として執筆してください。引用文を除き、「です・ます」と「だ・である」が混在しないように気をつけてください。
タイトルをつける。
レポートの課題内容によっては、自分がどんなことを調査し考察したのかを、まず高らかに宣言する必要があります。それがタイトルです。レポートの内容を示す端的なタイトルを考えることも、レポート執筆の重要なポイントです。
指定された字数を守る。
〇〇字程度と指示があった場合、その字数の±10パーセントを守ってください。指定字数より少なすぎるのはもちろん不十分ですが、超過するのも指定字数で適切にまとめきれていないことになります。
問われたことのみを答える
テーマが設定されている課題では、そのテーマに焦点を絞って解答し、テーマから外れたことは書かないようにしましょう。
**内容上最も重要なポイントは、「自身」と「他者」との意見を明確に区別することです。**レポート執筆に際して読んだ文献を参考にする場合は、自他の意見を明確に書き分ける必要があります。無論、文献にあたらなければ、考察も出来ません。他者の意見をレポートで述べる場合は区別が付くように「註」を付けたり、「引用」するようにして下さい。註や引用の表記については4で示します。
レポート・論文は、「序論(はじめに)」「本論」「結論(おわりに)」の各部分で構成されますが、文字数の少ない課題では必ずしも「はじめに」「第1章」「第2章」「第3章」「おわりに」など目に見える形で章を立てる必要がない場合も多いです。ただし、章として明確に区分しない場合も、文章全体が序論、本論、結論の流れになるよう段落分けを工夫するなど、構成を意識して書きましょう。 以下は3,200字程度のレポートのひとつの構成例です(実際の各科目の課題にすべて適合するものではありません)。
【問題設定】(序論)
まず、レポートが解き明かそうとする課題は何かを記します。何をどう明らかにしようとして論文を書くのかを、基本的には疑問形で書きます。レポートでは、この課題があらかじめ指示されている場合がほとんどです。
【先行する言説や具体例の検証】(本論)
上の問題に対してテキストやこれまでの研究書などでどのようなことが言われてきたのかを紹介し、その議論の仕方やそれが扱っている事例の妥当性を検討します(言われてこなかったことがあればそれを指摘します)。
【自分の見解の提示】(結論)
レポートの結論を提示。必ず「課題」に答える形で。わかったこと、わからなかったことを記しても良いです。
人名の後には生没年をつける。
例)歌川広重(1797~1858)
漢字圏以外の人名には、初出時に原綴をつける。
例)フェリックス・ベアト(Felix Beato, 1834- c.1903)(「c.」は「頃」の意味で、年代が特定できない場合に用います。)
<日本人名の略称>
近代以前は名前や号で略す。
例)(鈴木)春信、(狩野)探幽(最初に「鈴木春信」と書いたあと、次からは「春信」のみで「鈴木」を略せます。)
近代以降は名字で呼ぶ。
例)萬(鐵五郎)、土門(拳)
ただし日本画の場合は号で呼ぶことが多い。
例)(竹内)栖鳳、(橋本)関雪
<外国人名の略称>
基本的には名字。
例)ピカソ、マネ
二つ以上繋がった名字は、全部書く。
例)ファン・ゴッホ、トゥールーズ=ロートレック
日本語に直すときのルール
スペースはナカグロ。
例)Pablo Picasso パブロ・ピカソ
ハイフンは等号。
例)Jean-Luc Godard ジャン=リュック・ゴダール
英数字は全角ではなく半角で書くのが一般的ですが、同じレポート内で統一されていればどちらでも構いません。
例)2023年度
数字は縦書きは漢数字、横書きでは洋数字を使うことが一般的ですが、同じレポート内で統一されていればどちらでも構いません。
「」カギカッコ引用文/論文・章の題名/シリーズ名/展覧会名などに用います。
例) 論文:ヴァルター・ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」 シリーズ:歌川広重の「東海道五十三次」 展覧会:「進化する映像」展
『』二重カギカッコ書名/映画の題名などに用います。
例)書名:ミシェル・フーコー『言葉と物』、映画:『羅生門』
《》二重ヤマガッコ主に造形芸術作品名(絵画、彫刻、インスタレーションなど)に使います。
例)ベラスケスの描いた《ラス・メニーナス》では…
〈〉ヤマガッコ強調(カギカッコでも代用可)する場合です。ただしあまり使いません。
例)明治時代に、いわゆる〈美術史〉が創出され…
〔〕キッコウ訳註や引用元にない補足説明に用います。
例)美術とはいわゆる国家のイデオロギー装置〔ルイ・アルチュセールによる概念〕でもあり…
なお、短いレポート(1,000字前後)では人名の原綴りや生没年などは必ずしも表記しなくて構いません。重要性に応じて付記するかどうかを判断してください。
論文・レポート執筆にあたって文献・資料を本文中に引用する、もしくは参照させる場合は、その典拠として用いた文献・資料の書誌情報・資料情報を明示する必要があります。以下に、註と参考文献に関する、本学で用いている論文執筆ルールを記します。なお、実際には学校、学問領域、学術誌によってそれぞれの書式が採用されており(本文中に著者名と文献発行年を括弧書きで示し、本文末尾に引用文献リストを列挙する方法など)、また本学でも科目や課題の性格によって特別な書き方が指定される場合もありますので、疑問があればコンシェルジュを通じて担当教員 に相談してください。
註には、レポート本文で考察の論拠として参考文献の内容を示す際に用いる**【A文献註】と本文では書きにくい補足的な説明を記す【B補足註・意味註】**の主に2通りの用途があります。 ※原則、註に書誌情報を示す場合には、参照箇所のページ番号を記載します。
文献註は、レポート本文で考察の論拠として参考文献の内容を示す際に用いるものです。 レポート本文で参考文献の内容を記載することを「引用」といいます。引用には、さらに直接引用と間接引用があります。
直接引用をする場合は「 」に入れて出典を明記すること、また間接引用であっても、出典を明記することが必要です。出典を明記せずに引用をした場合は、剽窃とみなされます。ただし引用が多くなりすぎると、レポートの指定字数内で自分の意見を十分に示すことができなくなります。適切にまとめて引用し出典を明記することが、書き方として効果的です。
■直接引用
直接引用とは、参考文献にある文言を「 」などでくくり、論拠として提示するものです。その際にレポート本文で「 」の後に(1)(2)…などを表記し、レポート本文の末尾で出典を明記します。
例)
■間接引用
間接引用とは、参考文献にある文章をまとめなおし、要約して提示するものです。
例)
補足註は本文の内容の補足的な説明をし、意味註は一般的ではない用語の意味を説明します。